2026年9月4日 花材解説
【花材】
・クルクマ(ピンク)
・ドウダン
・スプレーカーネーション(オレンジ)
・エリンジューム
・スプレーバラ(レッド)
・ヒバ
・フジバカマ
【花材と季節感】
■ クルクマ(ピンク)
熱帯アジアを原産とするショウガ科の植物で、幾重にも重なる淡いピンク色の苞が特徴です。夏から初秋にかけて美しい姿を見せ、9月の生け花では、まだ残る夏の温度と柔らかな華やかさを表現します。
■ ドウダン
細かな枝分かれと軽やかな葉姿が美しい枝物です。空間を大きく使うことができ、枝の線によって作品に自然な広がりと奥行きを生み出します。初秋には、夏の緑を残しながら、これから深まっていく秋を予感させる花材となります。
■ スプレーカーネーション(オレンジ)
一本の茎から複数の花を咲かせるため、小さな花の連なりによるリズムと柔らかなボリュームを作ります。オレンジ色は、初秋の穏やかな陽光を思わせ、作品に温かさと明るさを加えます。
■ エリンジューム
青紫色から銀青色を帯びた独特の花姿と、鋭く造形的な輪郭を持つ花材です。柔らかな花々とは異なる硬質な質感が作品に緊張感を与えます。涼やかな色彩は、夏の余韻と初秋の澄んだ空気の双方を感じさせます。
■ スプレーバラ(レッド)
一本の茎に複数の小ぶりなバラを咲かせる花材です。深い赤は作品の中に明確な焦点を生み、生命力と成熟した華やかさを加えます。9月の赤は、盛夏の鮮烈な色彩というより、秋へ向かって少しずつ深まる色として捉えることができます。
■ ヒバ
常緑針葉樹特有の深い緑と細かな葉の重なりが特徴です。作品の骨格や背景となり、他の花材の色彩を引き立てます。変わらない緑の生命感を持つ一方、木質的な姿は秋の自然景観ともよく調和します。
■ フジバカマ
秋の七草の一つとして、古くから日本の秋を象徴してきた植物です。細かな淡紫色から白色の花を咲かせ、華美ではない静かな美しさがあります。9月という季節を最も明確に伝える花材の一つで、作品の中に日本的な初秋の情趣をもたらします。
【季節】
初秋 ― September / Early Autumn
【この取り合わせが表現する季節】
今回の花材には、夏から秋へ移り変わる9月ならではの二つの季節が共存しています。
ピンクのクルクマには夏の余韻が残り、オレンジのスプレーカーネーションと赤いスプレーバラには温かな生命感があります。一方、エリンジュームの涼やかな色、ドウダンとヒバの緑、そして秋の七草であるフジバカマが、静かに秋の到来を告げます。
夏が突然終わるのではなく、その生命力を残しながら、光や風、植物の色彩が少しずつ秋へ移っていく――その「季節の境目」を表現するのに適した花材構成です。
特にフジバカマを中心に季節を読むと、この作品群には「初秋」「秋の兆し」「夏の名残」「九月の風」といった主題がよく調和します。




20260920
【花材と季節】
今回の作品には、秋の訪れを感じさせる花々が用いられています。
■ ケイトウ
一枚目の作品で印象的なのは、鮮やかな赤紫色のケイトウです。
鶏のとさかのような独特の花姿からその名が付けられ、夏の終わりから秋にかけて最も美しい時期を迎えます。深みのある色彩と力強い質感が、作品の中に初秋らしい存在感を与えています。
■ ホトトギス
グレートマザーの庭で育てられている秋の花です。
花びらに紫色の斑点が入り、その模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから、この名が付けられたとされています。
晩夏から秋に咲き、日本の山野を思わせる静かで繊細な美しさを持つ花です。華やかさよりも、秋の野趣や自然の奥行きを感じさせます。
■ リンドウ
リンドウも、日本の秋を代表する花の一つです。
深い青紫から紫色の花が特徴で、夏の終わりから秋にかけて開花します。
澄んだ色彩と端正な花姿には、涼しさと落ち着きがあり、秋の空気が少しずつ深まっていく様子を感じさせます。
【季節】
初秋から秋
ケイトウの力強い色、ホトトギスの野趣ある繊細さ、リンドウの静かな青紫。
それぞれ性格の異なる花ですが、共通して「夏の終わりから秋へ」という季節の移ろいを伝える花材です。
特に、庭で育ったホトトギスとリンドウをそのまま生け花に用いることによって、単なる装飾ではなく、身近な自然の中で感じた季節そのものを作品として残しているところが、この生け花の大きな魅力です。

「秋の気配」

「野辺の秋」
「Great Mother Ikebana Collection — 38 Works」